ハノーヴァー・マヌーヴァー

秋に聴きたい曲

2016/11/02 9号

深まり行く秋を楽しみたい

ハノーヴァー・マヌーヴァーの「あなたの居場所」で「秋に聴きたい」と打ってみてください。かっこはつけないで、秋に聴きたい、でいいですよ。あと聞きたいではなくて、聴きたい、です。

意外なクラシック仕立てのスタンリー・クラーク

そうしますと、超絶技巧派ベーシストとして知られた、スタンリー・クラークのSong to John Pt.1が出てくると思います。え、チョッパービンビン(今はスラップと言います)のどぎついベースなんて秋に聴きたくないって。いえいえそれが、彼のソロアルバムは美しい、クラシックにもプログレッシブロックにも重なる、静けさと透明さを備えた、まさに深まり行く秋にぴったりの曲が多いんですよ。

彼が所属していたリターン・トゥ・フォーエヴァーの楽曲にこうしたクラシック風の優雅さを加えていたのは、リーダーのチック・コリアではなくて、どうも彼だったようですね。

とつとつとした美しいソロを奏でるエリック・クラプトン

あとエリッククラプトンの代表的なアルバム「いとしのレイラ(Layla and Other Assorted Love Songs)」に入っているBell Bottom Bluesです。え、レイーラー、ドギドギドギドーン、なんてうるさい曲は聴けないよって?このアルバム、秋に聴くのにぴったりの美しい曲も数曲収められているのです。中でもこの曲は美しいピッキングハーモニックスという奏法で、独特の高い倍音でとつとつと表現されるギターソロが、それはもう美しくて美しくて。

透明な音楽の代表といえばケニー・G

最後はケニー・GのEstherです。え、あんなポップなスムーズジャズ人の曲なんて春じゃないんだから聴けないよって?この曲、これまでは明るかった夕方4時半にゆっくりと夜の暗幕が下りてくるようになって、冷たい風に背中を押されて、恋人達が家路を急ぐ。そんな情景を思い起こす、深まり行く秋にぴったりの曲です。

ほかにも「秋に聴きたい」大変美しい曲がそろっています。ぜひ皆さん、お楽しみください。