ハノーヴァー・マヌーヴァー

11月のクリスマス曲、ダメ!ゼッタイ!!

2016/11/05 12号

スーパーで11月になるとクリスマスの曲がかかる

都内ですが、昨日と今日で、近所のスーパー二箇所がクリスマスソングをかけていました。11月のクリスマス曲は、ダメ!ゼッタイ!!です。11月にクリスマスソングをかける悪い商習慣は撲滅しなければなりません。

なぜかと言えば、これはクリスマスの意味合いを考える必要もありますが、同時に他国の文化を尊重する必要性があるからです。

音楽はそうした文化背景を自分なりに理解してこそ、自分の心の中に響く、意味のある楽しみになるものだと思うからです。

キリスト教徒が2%もいない日本

日本では統計的にキリスト教徒は2%未満しかいません。なので、まずクリスマスの本来の意味合いを考えるとき、大多数の人は関係がないわけです。

関係がないなら楽しむなというわけではありません。クリスマスは昭和初期にはすっかり日本に定着した行事です。うっすらと何かキリスト教に関係した行事なんだろうな、と分かる人も多いでしょう。子どもの時絵本を読んだりして本来の意味合いを知っている人も多いでしょう。

そうです、キリストが生まれたことを喜び祝うときなのです。ケーキを食べたり恋人と手をつないでデートしているだけではないのです。世界中の多くの人が感じる喜びを一緒になって感じられれば、二人で握っている手もさらに強い喜びになるはずなのです。

それを感じられるか、というのは、洋楽を聴いて、うーん、面白いね、で終わるか、それとも演奏者の人物像や生活や、当時の社会背景に惹かれてそこまで楽しんで聴けるか、ということと似ています。

感受性はあればあるだけあったほうが楽しいのです。

感謝祭(秋の村祭)の時期にクリスマス曲をかける愚

そして、本来の意味合いとそれを祝っている人たちの気持ちに自分の感受性が及べば、クリスマスソングをかける時期は12月でなければおかしいだろう、というのも気がつくのです。

というのも、欧州は分かりませんが、アメリカの場合だと感謝祭というのが11月末にあるのです。これは秋の収穫祭と同じで、秋に豊作だったことを神に感謝すると共に、友人、知人達と家庭の料理を食べて、こうしてよい隣人を持てたことに感謝をする日です。

これが終わって、ワンクッションあって、12月1週目が終わったな、というところでやっとクリスマスの曲がかかるのです。

考えてもみてください。秋祭りの踊りをやっているところに、サンタの衣装を着た、ちんどん屋さんが来たらどれだけ秋祭りがぶち壊しになることか。

残念ながら11月にクリスマスソングをかけているスーパーやお店は、そういうことをやっているところなのです。

他国文化をもっと尊敬すべき

ハロウィーンもそうですが、クリスマスもどうも無理やり商戦と絡めて広まったようです。しかしそれは外国の文化を尊敬していないということと同じです。

最初は面白い、楽しい、から入ってもいいかもしれませんが、本当に他国の文化を理解するなら感受性を磨いて、おかしいことには、ダメ!ゼッタイ!!と言うべきです(ダメ!ゼッタイ!!が言いたかっただけでこの記事を書いているわけではありません)。

ジャズやロックの洋楽がお好きなみなさまはぜひ、11月のクリスマスソングを聴いたら、ああ、クリスマスソングを楽しむなら、12月に入ってからにしよう、今はまだまだ深まり行く秋を楽しむことにしよう、と思い至ってください。