ハノーヴァー・マヌーヴァー

今日はボージョレーヌーボーの解禁日!「酒」心に響く曲とは

2016/11/17 24号

毎年11月第3木曜日といえば

今日はボージョレーヌーボーの解禁日です。ボージョレーヌーボーといえば、「今世紀最大の出来」「この10年で最良の出来」「この数年味わったことのない出来」などと、絶対にはずれのない形容詞がついているのが名物です。

主に形容表現を入力することで曲を検索するハノーヴァー・マヌーヴァーとしては、この多彩な微に入り細にわたる形容表現は大いに勉強するところがあります。

実際ボジョーレーヌーボーを飲んでみると、アメリカの子どものおやつでバブルガムというのがあって、それにそっくりですが、結局酒になる以前の遊びとお祭のための、ボージョレー地区の人が考えたお祭の飲み物な訳です。せっかくのお祭ですから、味にどうこう言うよりは楽しんだほうが得というものです。

酒は英語圏にとって身近すぎるのか

さて、ハノーヴァー・マヌーヴァーではずばり「酒」と気持ち検索語を打っていただければ、お酒に寄り添えるいろんな曲が出てきます。

ここで面白いのは、お酒は英語圏の人にとって、どうも味噌汁(?)のようなもので、あまり酒を称えたり、飲めや歌えや、騒ぎましょう、みたいな曲はあまり無いわけです。ここが酒は祭りとうきうきした心と結びついている日本とずいぶん違うのです。

選曲ではじっくりいすに深々と身を沈めてお気に入りのオーディオ機器から流れ出る音で、揺らめく液体の輝きを見つめながら一日を振り返る、そんな曲も多数準備しましたが、ほかにもちょっと特徴のある曲も準備しました。

酒が家族を象徴するのだろうか

そんな特徴のある曲の一つが、Westlifeが歌うSeasons in the Sunです。もともとはフランス語のシャンソンだったそうですが、それが英訳され、紆余曲折を経てテリージャックス(Terry Jacks)が録音してヒットしたものです。

その歌詞がどうも、死に行く直前の瞬間家族や妻や友達のことを思い出す、という内容なのです。そして「私たちの喜び、楽しみ、太陽のあたる季節だった。でもワインと歌は季節が過ぎ去っていくのを好むようだ」(私の意訳)というように、季節を感じるもの、年月の経つものとして思い出されるようです。少し物悲しいものの象徴としてワインを持ってくるところが面白いですね。

もう一曲がエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)のRehabです。酒で直接死んだミュージシャンはあまりいない気がする中で、彼女は生粋のアル中だったわけです。そもそもワインハウスは芸名かなと思っていたら本名だったりするわけです。

ブルー・アイド・ソウル(黒人ではないソウルシンガー)の若手としては一番期待されていた彼女は、アル中をやめるための施設に入ったときの気持ちをこのRehabで歌いました。そんな彼女ですが、やっぱりやめられなかったのでしょう、2011年アルコール中毒でなくなってしまいました。

酒は人生のいろんな側面を思い出させてくれます。今日はボージョレーで陽気に乾杯すると共に、そんな「酒」心に響く曲に寄り添ってみてください。