ハノーヴァー・マヌーヴァー

【訃報】レナード・コーヘン(Leonard Cohen)が亡くなりました

2016/11/18 25号

気さくな普通の詩人

レナード・コーヘン(Leonard Cohen)が11月7日に亡くなりました。え!そうなの?と驚いた方は相当のアメリカン・ミュージックファンですが、多くの方はそれは誰だろう、と思ったことでしょう。

彼の一番有名な曲は後ほど紹介するとして、60年代後半からずっと活躍してきた方でした。若いときは詩人を目指していたそうで、そういう肩書きで本も日本で出版されているようなのでそちらを思い出す方もいるかもしれません。

彼のユニークなところは実に気取らない普通の人だったというところで、そういうエピソードがいろいろ海外で報道されています。

ファンと一緒にご飯を食べてしまう人

そうしたエピソードの一つは、ファンがレナード・コーヘンがコンサートの後、街の食堂でご飯を食べていたので、サインをもらおうと思っておずおずして中に入ると、「ご飯はまだなのかい?じゃあ、一緒に食べよう」とそのファンにおごってあげて同じテーブルで友人のように食べたとか。

あるいは彼は瞑想に興味があったらしくインドのムンバイの導師の元で修行をしていましたが、彼が宿泊しているところにインド人のファンがサインをもらいにいってみたら、本人が出てきて、すぐ仲良しになりそのインド人ファンと博物館や寺院を見て回ったとか。

あるいはキャラバンでツアーの途中、道路でヒッチハイクをしている人がいたので、乗せてあげて楽しくわいわいしゃべりながら目的地まで送ってあげたとか。とにかく、普通のセレブにはない、普通の庶民の行動をしていたようなのです。

Hallelujahは世界で200人ものシンガーに歌われている

彼の一番有名な曲は"Hallelujah"という曲です。彼自身も歌いましたが、そのときは今一つのヒットでしたが、若くして謎の死(水泳中の事故死)を遂げたJeff Buckleyが唯一残したスタジオアルバム、Graceの中で歌われ広く知られることになりました。ちなみにこのGraceはローリングストーン誌が選ぶ500 Greatest Albums of All Timeで303位になっているところからして、その知名度のほどがうかがわれます。

Cohenのこの曲はBuckleyの死後もたくさんのシンガーに歌われて、今では世界中でなんと200人ものシンガーが歌ったということになっているそうな。素人から将来のスターを見つけ出す、アメリカン・アイドルという番組がありますが、そのシーズン9で優勝したLee De Wyzeという男性シンガーも歌っていたりするわけです。

こうして多くのリスナーに思い出されることになったレナード・コーヘン、どうか安らかに天へお帰りください。彼のHallelujahはハノーヴァー・マヌーヴァーでは、「祈り」という気持ち検索語に含まれています。


参考
Wikipedia Leonard Cohen
https://en.wikipedia.org/wiki/Leonard_Cohen