ハノーヴァー・マヌーヴァー

オルガンが美しい曲

2016/11/25 32号

空気が冷たくなり乾燥すると冴えるオルガンの音色

空気が冷たくなり乾燥してきました。東京では54年ぶりという11月の降雪がありました。

寒くなると思い出されるのがオルガンの音色です。オルガンといってもいろいろありますが、どんなオルガンでも高音が美しく響くと素敵なロマンが生まれます。

オルガンのために生まれたような曲、A Whiter Shade of Pale

以前アメリカの小さな町で友人に誘われて、オルガン奏者がいるレストラン(なぜかパスタ専門店でした)に行ったことがあります。

そこは家族が楽しめるような広々とした造りのフラットな床で、真ん中に丸いステージがありそこにオルガン奏者がいてリクエストを受け付けていました。

ウエイトレスさんが、遠慮しないでリクエストしてくださいというのと、友達も書け書け言うので真っ先にこの曲が思い浮かびました。Procol HarumのA Whiter Shade of Paleです。

ところが、食事がおいしすぎたのか、そのときなぜか曲名の日本語訳である「青い影」というのだけしか思い出せず、うーん、Whiterなんとかだったよなあ(覚えにくい曲名ですよね・・・)、しか思い出せず、Procol Harum's song!と書いてリクエストしました。

もう一つの美しすぎる曲、When a Man Loves a Woman

リクエストの紙を受け取ってウエイトレスさんがフロア真ん中のオルガン奏者にそれを渡しました。オルガン奏者さんはしばらくその紙を見つめて、首をちょとひねった後、鍵盤の上に指をそっと下ろしました。

私はどきどきです。じっとその手を見つめました。息をすってふっと美しく鍵盤を移動し始めたその手から流れてきた音は、お、おや?これはソウルの大御所、パーシー・スレッジのWhen a Man Loves a Woman(邦題は「男が女を愛するとき」)ええ!オルガン奏者さん、それじゃないよ!でも綺麗!すごい美しい!

この曲もとても有名な美しいオルガンのイントロで始まる曲なのです。オルガン奏者さん、外人の書いたプロコルハルムが読めなかったか、知ってはいるけれどレパートリーに入っていなかったか、真実は知らないほうがロマンチックなのですが代わりに同じように素敵な曲を弾いてくれたのです。

いっしょに行った友人はとてもうっとりして、素敵な曲!ラジオで時々聞く古い曲だわ、なんていう曲?と聞いてきました。ええ、プロコルハルム・・・じゃなかった、男が女を愛するときですよ。

レストランを出た後も冬の冷たい空がすこし暖かく感じられる優しい音色。素敵な思い出をありがとう。A Whiter Shade of Paleは「静かな感じ」、When a Man Loves a Womanは「美しい」という気持ち検索語に含めてあります。