男性ボーカルで一番声が高いのは誰か
2016/12/07 44号
普通に声が高い人たち
さてせっかく外国人シンガーは声が高いということを書いてきましたので、ここらで声の高い人たちをまとめて紹介して、いったい誰が一番声が高いのか総まとめをしていきたいと思います。女性は元々声が高いので勝負しても面白くないので男性編です。
普通に耳に心地よい声の高い人たちをどんどん紹介しましょう。と言ってもこの高さだとたくさんいますので、時代を象徴していたり特徴のある方達だけです。
まずはREOスピードワゴンのケヴィン・クローニンです。Can't Fight This Feeling(涙のフィーリング)で実に美しい典型的な洋楽の声を聞かせています。
気持ちが良い声です
このレンジだと古典ハードロックの雄、スコーピオンズのクラウス・マイネなども聖歌隊のような美しい声をしています。と言ってもキーはそれほど高くはありません。In Tranceの一人合唱はぞくっとくる荘厳さがあります。支配人がロック小僧だった頃いつかこんな声で歌えないかと憧れたものです。
聖歌隊のような透明さです
声が高い男性ボーカルと言うとどうしてもロックの人たちになりますが、もともとはソウルの人たちが普通に使っていたレンジです。プラターズのトニー・ウイリアムスの伸び伸びとした声には世界中が憧れたのではないでしょうか。
男なら一度は歌ってみたい
女性アルトに近づく人たち
次に高いレンジが、これはもう女性のアルトのレンジなんじゃないの、という人たちです。
まずはジャズの世界です。ジャズの男性ボーカルと言えばナットキングコールのような実にまろやかなクルーナー唱法と呼ばれる男の声を思い出しますが、実は高い声の人も結構いるのです。
最初は日本に紹介されたとき女性だと思われたチェット・ベイカーです。確かに先入観なしに聞くと、エラ・フィッツジェラルドなんかよりもよっぽど女性の声をしてます。
優しそうな女性のイメージが・・・
続いては、異色の70歳を過ぎてから世界的に有名になったリトル・ジミー・スコットです。彼もどう聞いても女性だよねこれ?という声は先天性のホルモン異常のため声変わりをしなかった(また背も伸びなかった)ためといわれていますが、独特の世界観を持っています。
男の子のようなおばあちゃんのような・・・
女性アルトまでいってしまう人たち
ジャーニーのスティーヴ・ペリーは声が太くて丸いので低く聞こえがちですが、実際は女性アルトまで行ってしまっています。Faithfullyの最後"Faithfully, I'm still yours!"というところなど歌うのはなかなか無理です。
両手を広げて歌ってみたい
ジャーニーよりもっと明らかに自然に高いのが実感できるのが、ボストンのブラッド・デルプです。"Man I will Never be"などこんな風に歌えたら、全世界が泣くのではないでしょうか。
いつかこんな男になれるだろうか?
女性ソプラノを捉え追い越す人たち
しかし恐ろしいことにまだまだ高い声を出す人たちはいるのです。行き着くところまで行ったろうじゃないか!という感じで人類の進歩は止まらないのです。進歩と取るか特殊技能と取るかはさておき、男性が女性ソプラノで歌いたいという願望は、昔の教会の少年合唱団以来根強くあるのです。
太いざらざらした声なので、気づきませんがボン・ジョヴィも異様に高い声です。Living on Prayerの後半、転調して上がったところなんて歌える人はいるのでしょうか?
AC/DCもそうですが、どうやってこういう声を出すのでしょう?
ガンズ・アンド・ローゼズのアクセルも同じような声質ですが、Sweet Child of Mineなど最後のところどうやって出しているのでしょう?
トイレで歌っているのを聞いたメンバーがその声で歌え!と言ったそうですが・・・
エアサプライのMaking Love Out Of Nothing At All など延々ソプラノの領域で続いて聞いているほうもなかなか苦しいです。
歌える人は全男の何%くらいか
洋楽勢が続きますが、日本人も負けてはいません。この領域にくると米良美一のもののけ姫が誰の頭にも浮かぶでしょう。
米良氏を見て女性と思った人も多かったかも
男でソプラノの領域が出る人をカウンターテナーと呼ぶというのが米良氏のおかげでお茶の間に広まりましたが、米良氏はうーん、独特の声だな、と思いますが、誰がどう聞いても女性のソプラノなのが藤岡宣男です。
すでに天国の聖歌隊に呼ばれてしまいました
ここまで来ると勝負あったような気もしますが、さらに上には上がいて、Helloweenのマイケル・キスクのEagle Fly Freeとか、
もはや神に近づいているのでは
ジューダスプリーストのロブ・ハルフォードのExciterなど米良氏や藤岡氏をぶっちぎっていくのです。はたしてここまでやると美しいといえるか分かりませんが、やるからには勝たなければ意味が無い!といえそうな男性高音勝負でした。
すでにキリングマシーンになっているのでは
【番外】ギネスブックで一番高い男性の声と認定されているのはAdam Ropezという人で、クラシックの声楽家です。もうこれは人間の声ではないのでは?
ほかロシアのヴィタスという歌手もソプラノを突き抜けて超音波を発してますが、口パク疑惑もあり確認できません。なお、クリスタルキングの田中昌之氏はピアノの最高音を軽く突き抜けることができたという噂もあるので、ギネス申請をしなかったのが悔やまれます。
【蛇足】なお、判定はもののけ姫の前半なら楽に歌える支配人が自分の喉で判断しました。