ハノーヴァー・マヌーヴァー
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ハンク・モブレーのDippin'-今年「聴いた」ベストジャズ・アルバム

2016/12/27 63号

8ビートのファンキーなジャズにハマった

支:えー、昨日は突然のジョージ・マイケルの訃報で内容を変更したのですが、本当はこのハンク・モブレーのDippin'を紹介しようと思ったんですね。

ハ:普通のジャズとノリが違うというか、もっと親しみやすいというか?

マ:いわゆる8ビートのファンキーなジャズということですな。

ハ:本当だ!この一曲目、"The Dip"っていうの、クールなロック曲か、アクション映画のサントラみたいなノリ。

支:そうなんだね。今年なぜか8ビートのジャズにはまってしまって。普通のジャズは4ビートと呼ばれるけど、4ビートというのは、3連符というかシャッフルのリズムにはまるわけだよね。でもこのハンクモブレーのアルバムは8ビートや16ビートのノリでできてるんだね。こういうものをどういうわけか60年代、ファンキーと言っていたんだ。

ちょっとした人生の一地点のせいで評価が上がらなかったハンク・モブレー

マ:ところでどうしてハンク・モブレーなのですかな。ファンキーなジャズということならホレス・シルヴァーとかルー・ドナルドソンとかもっと影響力のあるアルバムもあるでしょうに。

支:まあ、そこがハノーヴァー・マヌーヴァーのサイトならではのお勧めというか。

ハ:支配人がちょっとひねくれてるとか?

支:いやいやそんなことはないよ。サックスのプレイに関して、これだけメロディアスにリードを取る人は滅多にいないし。コルトレーン派のギコギコ、ビコビコ音が飛ぶソロに飽き飽きしている人はぜひハンク・モブレーを聴いて欲しいね。実は自分はジャズでサックスって嫌いだったんだけど、このハンクモブレーとかズート・シムズとかを聴いて初めていいような気がしたんだよね。

マ:ああ、うん、気持ちは分かりますな。コルトレーンはアクロバットみたいでフレーズが普通のリスナーには覚えられませんな。サックスの運指はギターやピアノのような指の長さや指間の幅と音の並びに直接関係がないから、どんな音の並びでも出したければ出せるわけで。

ハ:ああ、そうか。そう言われるとハンク・モブレーは音楽的というか、いい意味で普通のロックやポップスで出てくるサックスソロみたいな・・・

支:そうそう、彼はマイルス・デイヴィスともちょっとだけやっていた時期があるんだけど、その普通に滑らかに聞こえるところが地味だとかつまらないと思われて、その後の評価に影響が出てしまったんだね。

マ:マイルス・ファンに気に入ってもらえればそのミュージシャンは伸びますが、そうでないといつまでたってもぐちぐち言われますからなー。

支:そうなんだよね。そういう意味では人生の経験の中でたったわずかな期間良い評価を受けなかったからといって、いちいちめげたり、自分を捻じ曲げたりしなくていいんだよね。そういうことが感じられる素晴らしいアルバムだと思うんだけどこれは。

ハ:何だか、ハノーヴァー・マヌーヴァーを立ち上げた支配人の意気込みみたいなのとかぶってきちゃうねー。

支:それからトランペットのリー・モーガンの火の玉プレイも堪能してくださいね。私は実はマイルスは好きじゃなくて(笑)リー・モーガン一押しですから!じゃ次回はマヌーヴァさんがやるということで。

ハマ:よろしく~。