ハノーヴァー・マヌーヴァー
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Maren Morris まだ若いのに貫禄十分のグラミー新人賞ノミニー

2016/1/08 70号

日本では想像できないほどのカントリー人気

アメリカの音楽の流行り廃りはおおよそ90年前半まで日本にダイレクトにもたらされていましたが、アンプラグド・ブームあたりから日本は洋楽追従を離れ、その後9・11事件のせいで日米で音楽の好みについて決定的に袂を分かつことになりました。。

この辺の経緯についてはいずれ詳しく書きたいなと思うのですが、アンプラグド辺りから息を吹き返したカントリーミュージックがそれまでの古臭いおじいちゃん達がロデオの余興で会場でビールを飲みながら踊るようなものから、商業的に洗練されたものに段々なっていきました。ティム・マグロウとかフェイス・ヒルとかものすごい売り上げをたたき出すスター達も出てきました。

9・11以降、ブルース・スプリングスティーンのような多くのロックミュージシャンが反ブッシュ、反戦、親民主党というちょっと短絡的な路線に流れたこともあり、硬派なアメリカを愛する人たちは一気にカントリーに流れました。

カントリーミュージシャンの中にも愛国系と反戦系はあったようですが、概してアメリカ・ファーストな気質のシンガーも多かったので、シャナイア・トウェインのようなイデオロギーのない人たちも含めて、この分野はアメリカでものすごいファンを獲得しました。

このことは日本ではほとんど報道されず、ある意味、なぜトランプ氏が大統領選を制したのか日本のメディアの誰もまともに伝えないのと同様、2000年代以降、カントリーミュージックのブームが野火のように全米に広まっていたことは日本では全然報道されないのでした。

そんな状況なので、今年2017年のグラミー賞の新人賞(Best New Artist)に、Maren Morrisという女性カントリーシンガーの名前があっても、「一体誰やねん」くらいで終わりなのです。


マイナーなところで数枚出した後これがメジャーでのデビューアルバム

テキサスのアーリントンに1990年に生まれ、テネシーのナッシュビルというカントリーのまさに聖地というか本拠地で活動してきた彼女は26歳にしてすでに30年選手くらいの貫禄があります。あまり情報がない中ですが、ティムマグロウやケリー・クラークソンに楽曲を提供していたりして、もうベテランと言っていい域に達しているのです。

今年のグラミーはおそらくデヴィッドボウイの遺作が話題となるとは思うのですが、ぜひこうした日本で紹介されない、しかし確実に世界では受け入れられているトレンドもたまに感じてみてください。なお、9・11前後のことについてはいずれ特集をしたいと思っています。