ジャズピアニスト列伝その4 ウイントン・ケリー 184号
2017/05/10
ブルースをブルースとして堂々と弾く、黒さでナンバー1の人
マヌーヴァ:今日は日本人があまり求めないけれどジャズになくてはならない色をガンガン出す人を紹介したいですな。
支配人:へー、日本人があまり求めないと言えば・・・ファンクっぽいとか、公民権運動とか、反戦活動とか・・・
マヌーヴァ:当たらずとも遠からずですな。ブルースですな。
支:ああ、なるほど。僕もギターでジャズコードの練習とかするけど、確かにこれがジャズのブルースだ!みたいなパターンはもう代理コードに全部置き換えられていて全然ブルースじゃないよね。で、誰?
マ:もちろんウイントン・ケリーですな。
支:なるほど。
マ:彼は恥ずかしがらず、遠慮せずブルースを弾くわけですな。そして真っ黒い雰囲気でノリノリで弾くわけです。
支:確かになんか、ブルースからは距離を置きたいみたいなジャズメンは多い気がするなあ。なんか自分たちはもっとインテリですみたいな。もっとコード知ってます、みたいな。特にピアニストはそうかもしれない。
マ:そうですな、しかし今日お薦めしたい、Kelly Blueなんかは本当に魂の震えるブルースをやっているわけで。
支:なんか様式の一つとしてブルースと名づけてやるジャズメンは多いけど、心が入っていないって言うか、やっぱり本当のブルースをやっているアルバート・キングとかマディウォーターズと比べると力がないっていうかなんだけど、ウィントンケリーは全然本気度が違うね。
マ:あとはウェス・モンゴメリーとやっているスモーキン・アット・ザ・ハーフノートもいいですな。ウェスモンゴメリーもポップな演奏ではなく、一曲目の"No Blues"など本気で真っ黒な演奏をやっていて真剣勝負な感じがひしひしと伝わってきますな。
支:結局変なテレみたいな、スノッブ意識みたいなのが多くのジャズメンにはあって、吹っ切れる人は少ないと言うことなんだろうね。