ハノーヴァー・マヌーヴァー
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90年代の名盤20枚特集 その5 グレイテスト・ヒッツ(ジプシー・キングス)  198号

2017/05/25

最高に生かしたアコギ文化を創ったラテン・ポップの傑作

支配人:昨日のアンプラグドの話だけど、実は前哨戦というかその土台を作った人たちが入るんだよね。アコギを弾くとお洒落でかっこよくてカフェでコーヒーを飲むのがはかどるという・・・

マヌーヴァ:カフェでコーヒーを飲むのがはかどるというところでココアを噴き出してしまいましたが、誰あたりからでしょうかな。

支:やっぱり最初は1981年にサンフランシスコでアル・ディ・メオラがパコデルシアとジョンマクラフリンと三人でやった、スーパーギタートリオだろうね。あれで地中海のメロディーで生ギターをかき鳴らすのがカッコいいというのが定着して、あれをやりたいとうずうずしてたんだろうね。それから80年後半から、南米のフォルクローレがアメリカに来て駅前とか広場でドンガドンガやってたよね。「コンドルは飛んでいく」とか。

マ:なるほど、MTVのプロデューサーもそういうのを見て、聴衆ももうシンセやリバーブかかったドラムがずっこんずっこん言うのは飽きてると踏んで、これはいけると思ったんでしょうな。

支:結局、真性性が足りないというか本物じゃないということでアンプラグドはコケにされたけど、本当の本命はその土壌に乗って世界中に本格的なアコギ文化・カフェ文化を拡散したんだよね。それがやっぱりこの人たちだな。

マ:おお、ジプシー・キングスですな。確かに彼らは本物ですな。南フランス出身ではありますが、なんでもメンバーの親は全員1930年代のスペイン内戦でスペインのカタルーニャ地方からフランスへ難を逃れた本物のジプシーなんだとかで。

支:言葉がまた中南米のスペイン語じゃなくて、アンダルシア地方のアクセントで歌っているらしいね。それがまたお、ちょっと分からない、エキセントリックという感じでかっこよくて、もしメキシコのアクセントで歌ったら余り任期は出なかったかもしれない。

マ:すべてが本物ですべてが良く計算されていて、しかも運よくこういう音楽が拡散する土壌も出来上がっていたということですな。

支:そうだね、パーフェクトすぎてかっこよすぎる。グレイテスト・ヒッツを選んだのは名曲を楽しんでもらいたいということもあるけど、実はこのアルバム中の曲の多くが新たにアルバムに収録されたものが結構あってしかもアメリカでは300万枚も売れたというところからだね。日本でもすごい売れていたように思うけど。

マ:彼らの曲はテレビでも良くかかりましたしな。Bem, Bem, Mariaとか本当キャッチーですな。

支:ただ彼らはあまりに本物過ぎて、後継者というか跡継ぎが育たなかったね。結構そっくりな人たちはいたけどみんな消えていって、ワールドミュージックというくくりは認知されたけど、彼らのようなラテン・ポップは大きなブームにならなかったね。

マ:オンリーワンでありナンバーワンだったということでしょうな。現役で活動して既に日本にも何度も来てますが、これからもチャンスがあれば見たいものですな。

参考
Gypsy Kings, Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Gipsy_Kings

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