90年代の名盤20枚特集 その15 Do You know Who You Are Texas is the Reason 209号
2017/06/06
パンクが出自のエモを代表する良く工夫された一枚
支配人:エモというとやっぱり、パンクが出自のほうが最初だから、聴きやすさを優先してそっちを紹介しないのはおかしいよね。
ハノーヴァ:その通り!それでおすすめはこれね。
マヌーヴァ:ほうほう、Texas is the ReasonのDo You Know Who You Are・・・しかしエモの人たちのバンド名は変ですな。どっちがバンド名でどっちがアルバム名かわからない・・・
ハ:それがいいのよ、それが!
支:たぶん大手商業路線じゃないということを強調するのに一役買っていると思うけど、覚えられないよね、外人には特に。
ハ:それがいいのそれが!こびない、ぶれない、流されない!でも自分の中はしっかり見る。それが初期エモなの。でも音的にはやっぱりきちんと聞いてもらう作りになっているところがほかのオルタナとは違うと思う。
マ:確かに曲作りも音作りも凝ってますな。普通のロックバンドで言えばポリスとかプログレ・ハードのラッシュのような。
ハ:でしょう~ただのパンクじゃないのね。
支:A Jack With One Eyeとか、ボーカルのギャレット・クランの本当に泣いて訴えるような歌い方は心に響くよね。エモの人たちの歌い方の典型だと思うけど。なかなかほかのジャンルでは聞かない歌い方だな。
ハ:そうでしょう、そうでしょう。でも彼らはこのアルバムでメジャーデビューするとほぼ同時に欧州にツアーに出てそこで解散しちゃうのよねえ。それがすごい残念。次の年も活動してたらもっとすごいの作ったんじゃないかな。活動期間が三年しかないのね。
マ:まあ、ミュージシャンという民族はよくわからないところがありますが、初期のエモも出自が多くはインディーズのようなところですから、メジャーで成功して商業化するのが嫌なんでしょうな。分かるような分からないような。
支:まあ、音楽に対して同じ姿勢を維持し続けるって難しいんだろうね。とくに瞬間的な成功を収めてしまうと。そういう意味ではこのアルバムは初期エモの最高傑作でもあるし、何度も聞きたくなるロックアルバムとしてもお勧めだよね。