90年代の名盤20枚特集 その17 Interplanetary Escape Vehicle, Sector 9 211号
2017/06/08
ファンクを生で最高速で飛ばす奇跡の一枚
支配人:オールドハードロックのリヴァイヴァルをアメリカのバンドから紹介しようかと思ったけど、つまらないから止めた。
マヌーヴァ:おやまあ。
ハノーヴァ:あ、でもブラック・クロウズとか来るんじゃないかと予想がつくから、ハードロックはなくていいわ。
支:それで、ファンクを極限まで極めたこのSector 9というバンドにすることにしたんだ。
マヌーヴァ:むむ、なんですかこれは恐ろしいほどの速さですな。しかも生演奏で。
ハ:あー、これ知ってる。サウンド・トライブ・セクター9っていう長い名前でフジロックフェスティバルに出てたんじゃない。
支:なんかこのアルバムも含めて最初二枚セクター9で出したけど、スケートボードに同名のブランドがあるから名前を長くしたみたいだね。
マ:ほほう、そうだったんですかな。しかし鬼のように速いテンポでよくこんなリズムを延々刻んでいられますな。疲れないんですかな。
支:なんか着目点が変だけど、でもすごいよね。10分以上も超高速で16ビートのファンクを刻み続けて・・・普通機械を使うところ生なんだよね。生の極限にぶっ倒れるまで勝負のような。
ハ:すごいわね~。リズムが乱れないのね。でもなんか二曲目Hubbleの後半、ギターの人が指がもつれてゆっくりになってきているような。やっぱり疲れるのかな。
支:やっぱりこれだけやると疲れるんじゃないかな。ファンクがここまでしかも生演奏で進化したのはすごいことだけど、6,7,8曲目でテンポを変えるけど、もうちょっと構成を練って変化があるとよかったかもしれないね。
マ:まあしかしデスメタルとかドラムンベースとか、90年代はジャンルにかかわらず妙に早いテンポの曲がウケましたからな。無理やりでも疾走しないといけなかったんでしょうかなあ。
ハ:結構長く活動しているけど、こういう超高速のファンクはもうやってないみたいね。
支:そういう意味ではぜんぜん永遠の名作アルバムにクレジットされないグループだけど時代の疾走感を知るにはいいアルバムだよね。あと録音も生音をすごいいい音で録っていると思うな。他に似たバンドが存在しないというのもいいね。