ジャズをブラジル音楽に足すとボサノヴァになるがハワイアンに足すとLUIになる 143号
2017/3/28 143号
LUIはハワイアンを基にした最高のジャズAOR
ボサノヴァはブラジル音楽にジャズを足したことで生まれましたが、ハワイの音楽にジャズを足すとどうなるのでしょうか。
なかなか興味津津ですが、その答えがありました。LUIというグループの、いかにもトロピカルでリゾートなジャケットのこのアルバムです。
ハワイアンと言えばスチールギターがみゅいーんとなって、ウクレレが軽いリズムを刻んで中低音の豊かな男性シンガーがコーラスをバックに朗々と明るく歌うイメージです。
そのフォーマットは限りなく借用しながらも、音楽的には70年代の高度なAORと伝統的なジャズの技巧を盛り込んでみました。
マイ・ファニー・ヴァレンタインをハワイのグループがやるなんて中々ありえないのですが、さらっと自分たちのスタイルでこなしています。
なかなか再販されず、アナログレコードではとんでもない値段がついていたこともありましたが、今CDで手に入ります。ぜひユニークながらも暖かな彼らの演奏に身を任せワイキキビーチの夜吹き抜ける清涼な潮風を感じてみてください。